ご提案特集 | 有限会社クリアライズ
クリアライズより、皆様へ農業に関するご提案です。
クリアライズより、皆様へ農業に関するご提案です。
高見沢勉

「私の畑は川上村でも最も標高が高い場所にあります。最も高い場所で標高1430mです。日本一高いところにある畑といってよいと思います。これ以上の標高の畑は日本にはないんではないでしょうか。」
まさに天国に一番近い畑。それが高見沢さんの畑だ。今年からクリアライズとの契約栽培をスタートした高見沢さんに、農業にかける思いを話していただいた。(以下、高見沢さん談)
高見沢家の農業の歴史
うちはもともと川上村の隣の南牧村の出なんです。爺さんの代に薪や炭を買い付けに川上村に来ていたのですが、商才のある人だったので結構成功し、このあたりの山林を買ったのです。戦後はエネルギー構造の変化で薪や炭の需要が減り、一時はガソリンスタンドを経営したこともありますがそれもやめ、30年前から両親が山林を開墾して農業を手がけるようになりました。
当時野菜は結構いい値段で売れましたので、そのうち私も勤めをやめて農業に携わるようになりました。農業は人間関係のストレスもないし、結果の良いも悪いも自分の責任ですから、私の性分にあっていました。一生百姓でこのまま村に埋もれても良いと思ってきたのですが、ここ7年間ほど価格が低迷しているので、いろんなところへ情報のアンテナを伸ばし、農業で生き延びる道を模索するようになりました。
クリアライズさんとの出会いは、偶然から始まりました。岩瀬社長のお父さんが経営されている茨城白菜組合と以前に2年間ほどお付き合いをしたことがあったのですが、今年になってお父さんが間違ってうちに電話をかけてこられたんです。挨拶しているうちに「うちの息子がグリーンリーフを欲しがっているから出してやってくれ」といわれて、そのあと岩瀬社長からお話があり、お付き合いが始まったのです。私もちょうど農業経営の路線を大きく変えようと模索していた時期でしたので、非常にタイムリーな出会いでした。
市場でいただいてきた高い評価
私は以前はレタスや白菜を市場に出荷し、高い評価をいただいてきました。東京の太田市場に出荷したときは、いつも市場の最高値より100円から200円も高い価格で引き取ってもらっていました。しかもたとえばレタスのA品のLサイズが4500円だとすると、B品でも4000円の値がついたんです。B品でも選別して最高のものを出すようにしていましたから、市場の仲買人が特別高値をつけてくれたのです。
しかし、太田市場も経営が厳しくなり、いいものを高値で売るより、量をさばいて手数料で稼ぐようになったので高値では売れなくなりました。それで東京の市場から引き上げて、大阪の北部市場に出荷するようになりました。ここでも白菜はいい評価をいただきました。当時の白菜の評価といえば御嶽白菜が第一で二番目が南牧の白菜だったんですが、三番目がうちの白菜でした。市場の人は「個人でこんな高い評価をもらう人はいないよ」と言って下さいました。
その後流通の状況が変わってきたため、大阪の市場での販売もやめ、仲介業者と組んで販売はそちらに任せ、私は栽培に専念するようにしました。いろいろ新しい工夫をしました。たとえば川上村でコンテナで野菜を出荷するのはうちがはしりでした。
川上村の農業の問題点
この地域の農業経営はどうしても高コスト体質になってしまいます。夏の間の短期間の出荷に集中しますので、トラクターや農耕の機械も大きくなるし、人もたくさん雇わざるをえません。しかも秋から春までの半年間は機械もトラックも遊んでいます。利用効率はとても悪いです。短期間の大量出荷のために極限まで機械化を進め、多くの人を雇いスピードアップを図ってきたのですが、その結果高コスト体質を招いたのです。しかもここ数年売り上げが頭打ちになり、コストは原油や原料の高騰で上がってきました。どうしても利益が減って、農家の生活が圧迫されてきています。
国の政策の影響も見逃せません。産地指定がありますので、レタス、白菜、キャベツは、あるラインの値段より下がると、県や国から補償金が出るのです。それでみんなレタス、白菜、キャベツに集中するのです。その結果はというと、連作障害が起こってきたんです。数年前から根腐れ病が出始め、いまでは川上村中に蔓延しています。
根本的な解決のために本当は多品種のものを栽培したいのですが、輸送の問題が障害になって難しいのです。大量輸送しないとコスト高になり、採算が取れないからです。多品種少量栽培が出来ないのです。そんななかでの土壌改良……。これが川上村が直面している大きな課題なんです。
付加価値のある適正価格の農業への路線転換
私はこの5年間、この村の農家約30名と組んで東京農業大学土壌学研究室の後藤逸男教授の指導を受け、土の改良に取り組んできました。後藤先生が指導される全国土の会の事務局も引き受けています。
後藤先生は「有機農業は古い」といわれます。本当に環境に負担をかけない農業とは何かを考えたとき、そういう結論が出てくるのです。なぜ有機農業は古いのか。それは有機肥料や堆肥で必要なチッソをまかなおうとすると、それ以外の養分がどうしても過剰投入になってしまい、環境に優しいとはとても言えなくなるからです。
そもそも有機肥料や堆肥には家畜の糞を使いますが、家畜の飼料は世界中から取り寄せています。世界中の飼料を取り入れて出来た糞を日本の畑に投入すれば、日本の畑は栄養過多に陥りますよね。
実は現在川上村はほとんどの畑がリン酸過剰なのです。これまではリン酸過剰に害はないといわれてきましたが、それは間違いでした。リン酸過剰は病気の引き金になるのです。
確かに戦後、リン酸や石灰の投入で畑の収量は戦前の倍になりました。しかしこのやり方を30年以上続けてきたのです。農家というのは今までうまくいったやり方をやめるというのが難しく、昨年はよかったから今年もやりたいと思ってしまうものなのです。その結果、リン酸過剰の畑ができあがったのです。
私は後藤先生の指導で、土壌分析をして必要なものだけを単肥で補うように施肥を変えました。それによって環境に負担をかけなくしています。私はこの4年間、リン酸は投入していません。すでに畑の中に十分あるからです。畑によっては60年分あると後藤教授は言われます。過剰な養分は一切入れない。必要なものだけ補いつつ野菜を育てたい。有機ならなんでもいいというわけではない。科学を否定するのも間違いです。畑に必要なものだけを入れる環境にやさしい農業をしていきたいのです。
そして付加価値の高い、適正価格で野菜の取引が出来る農業をしていきたいのです。そういう大きな路線の転換を真剣に考えていたときに、ちょうどクリアライズさんとの出会いをいただいたのです。
クリアライズは他の業者とまったく違う
今年、クリアライズさんの仕事をして、ある時期バタビアロゼの出荷がしばらく止まったときがありました。そのときにクリアライズの社員の方が畑を見にきて、こう言われました。
「適期なのはこの畑とこの畑で、あとは適期を過ぎていますので捨てないといけないかもしれませんね。当社の栽培計画にそって植えてもらったので、これはうちの責任です。万一捨てる場合には補償させていただきます。」
いままで他の業者でこれだけ自社の責任を明確にして、「補償をする」と言いきたところはありませんでした。他の業者は、付き合うときは補償を口にするのですが、いざとなると口をにごして逃げるんです。「ああこの会社は違うな」と、そのときに思いました。
クリアライズの社員さんは、畑にもよく来てくれるし、栽培計画や集荷見通しのデータ管理、野菜の重量チェックなどを非常にきちんとされています。これだけきちんとデータ管理をする業者は見たことがありません。しかもこちらが取りたいときに相談に乗ってくれて、実際には取り遅れで破棄になることもほとんどありませんでした。他の業者とは雲泥の差です。「これはトップの姿勢の差だね」と、家内とよく話しをしました。
これからはクリアライズさんといっしょに付加価値の高い、本当にいい仕事をしていけると楽しみにしています。